新たなる旅立ち [DQ1]

新たなる旅立ち





 あの時竜王の島を襲った地震はアレフガルド全土をも揺るがせた。
 新しい月を迎えたばかりの真夜中の大きな地震に、アレフガルドの人々は5年前の竜王出現を思い出し、不安と恐怖に脅えながら朝を迎えたのだ。
 あの日はローラのいるラダトーム城も激しく揺れた。その地震以来、ローラは不安に脅えながら、竜王の島のある南の空をじっと祈るように見つめていた。
 だが、それから2時間後の朝。アルスが城に凱旋したという知らせを聞いて、ローラはぱっと顔を輝かせた。そして、すべてを悟った。
「アルス様!」
 アルスと父ラルス16世が話しているのを聞いて、謁見の間への階段からローラは急いで降りてきて、思わず両手を振った。
「ローラ姫!」
 アルスも手を振って答えた。
 アルスとローラはお互いに手を取り合い1瞬見つめあった。
「やったんですね!?ついに竜王を倒したんですね!?」
「はい!」
 アルスは大きくうなずいた。
 ローラの瞳に大きな涙が浮かんでいた。ローラはためらうことなくアルスの胸に飛び込んだ。
「やっと、アレフガルドに平和が戻ったんです!」
 そういってアルスはローラを強く抱きしめた。
 アルスの胸に顔をうずめたローラは、涙を流しながらうなずいた。
「そのあなたの旅にローラもお供しとうございます。このローラも連れてってくださいますね?」
「えっ?ダメですよ。姫はアレフガルドの大事な人ですし、怪我でもしたら・・・・・・」
「そんなひどい・・・・・・。お願いアルス様、もうローラを離さないで」
「えっ」
 どうもローラはあきらめる様子がないようだ。もう2人は誰が見ても間違いなくカップルになっていた。
「ローラ姫」
 アルスはじっとローラを見た。そして、ついに言った。
「ついてきてくれますか」
「はい・・・・・・うれしゅうございます」
 ローラは、熱い瞳でうなずいた。
「さあ!アルスの新しい旅立ちじゃ!」
 ラルス王がいい、城の兵士たちはトランペットを吹き鳴らし、凱旋のファンファーレを演奏した。
 凱旋のお祝いから1週間後、アルスとローラは新世界に向けて旅立ったという。そのとき、むしろローラの方が、新しい世界を夢見て楽しんで行動していたという。

あとがき
ようやく出ましたね、姫の名言「そんなひどい・・・・・・」。
最後の最後でカップリングな話です。
こうして話は2に続くのでした。
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ともちん

「そんなひどい・・・」待っていました(^^)
カップルになってハッピーエンディングですね。
そして次に続くのですね。お疲れ様でした。
楽しく読ませて頂きました<(_ _*)>
by ともちん (2012-09-07 01:07) 

あばれスピア

ともちんさん
こんばんは。
正式なカップルになったのは、このときということにしました。
こうして2人は幸せになったんですが、このあとラダトームはどうなってしまったのか。
次回の2で少しだけ判明するかもしれません。
by あばれスピア (2012-09-07 21:54) 

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