4章ー5 お告げ所・アッテムト(3) [DQ4-2]

4章ー5 お告げ所・アッテムト(3)


 目がよく痛くなるほどの悪臭に、精々鼻をつまみ乍ら、マーニャたちは、街に入った。
 汚染された沼の街中に、汚染の正体らしいガスが、混じり合い乍ら立ち込めてる。耳がどうかしたのかと思うほど、無音の街だった。いや、音はある。風の唸り、崩れ掛けた家に小石が当って立てる音やなどは。だが、そういうのがかえって、ここの異様な静けさを際立たせてるばかりなのだ。
 無人なのかと思ったら、ひとや生物はいた。建物のそばに、そして、街の中心らしき墓場に。薄汚れた服の男や、猫や女が。まるで、持主をなくしてしまった影法師のように途方にくれて。佇んでたり、歩いてたりしてる。
「ここは鉱山の街アッテムト。と言っても今では、とても人の住めるところじゃないわ」
 出会った女は擦違いざまに、マーニャたちが挨拶のことばをかけると、そう言った。
「ゴホッ!・・・・・・あんまりこの街には長居出来なそうね」
「酷い匂い・・・・・・」
 マーニャとミネアは顔を見合せて言った。街中が現実離れしてる。悪夢の中に迷込んでしまったような気分になってくるのだ。
 そして、耐え難い匂い。詰まった溝、肥溜、魚屋のゴミバケツ、犬寄せに使うというミミズを腐らせたのに、調合を間違えた薬品、この全部を混ぜた様なのを、袋に詰めて、頭から被せられたら、こんな感じだろうか。
 もう目が痛いなんて程度ではない。胸はムカムカ、頭はガンガン。こめかみがキンキンして、口の中はいやらしく粘つく。
 街に漂うガスが、その匂いの正体なんだろうか。

あとがき
御告げ所とアッテムトの話です。
少しでもアッテムトの話が書けて良かったです。
もう少しやっても良かったんですが、内容がうまくいかずここで止めました。
いよいよ4章の内容がヘビーになってきました。
次回はアッテムトの後いよいよキングレオ城での戦い。
核心に迫ることが飛出すのか。
※次回は2月1日更新予定です(変更の可能性あり)。
わかり次第またお知らせします。

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