2章ー4 旅の扉(3) [DQ4-1]
2章ー4 旅の扉(3)
磨き上げられた祭壇をのぼり、アリーナは立った。ブライとクリフトも従った。
青白い光の渦の中心へ進むとたちまち、くらくらと気が遠くなる様な感じがした。目の前の景色がぐちゃぐちゃになり、青白い光の粒が幾つも幾つも、周囲のそこかしこから降注ぐ。やがて光は渦を巻き、我慢できないほど眩しくなった。アリーナは思わずギュッとまぶたを閉じた。下が上になり、右が左になる。浮上り、落下する。からだが小山ほどにも膨れ上がったり、蟻ほどに小さくなったり、さかんに脈動を繰返す。
永遠のようでもあり、刹那のようでもある時が過ぎ、気が付くと、アリーナはまた、滑らかな、石の上に立っているのだった。だが、部屋の大きさが、少し違うかもしれない。
「ついた・・・・・・の?お腹も頭もぐちゃぐちゃだわ・・・・・・。旅の扉って、うっ、気持ち悪―い」
「・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・うーっぷ。ゲホッゲホッ。うううっ。なんという・・・・・・」
口をきくと、僅かに胸がムカつき、脚がよろけた。見合す顔が、みな青かった。アリーナとブライにとっての初めての旅の扉は相当気持ち悪いものだった。しかしクリフトはひとりその神秘のしかけに感動していた。
「感激です!我がサントハイムの国で旅の扉を使った神官は私が初めて!素晴らしい神秘。ああ、如何なる技であの扉は動いているんでしょうか!?」
3人は恐る恐る戸口に歩いて行った。エンドールの旅の扉は、エンドールとサントハイムの関所でもあった。
(続く)
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